[政治]公明党よ、目を覚ませ!

(1999/05/31、初出:夢野の眼第9号発表の文章を再構成。2002/07/02、本文URL修正)

 一見関係ないことだが、28日深夜に放送されたテレビ朝日系列の『朝まで生テレビ!』で「ガイドライン問題」か「組織犯罪対策三法案(盗聴法案)」を取り上げるのかなと思っていたら実際のテーマは「激論!もし、あなたの隣に”オウム”が来たらドーしますか?」。実のところ、これも非常に重大な問題だ。というのは、一昨日に委員会を通過した「組織犯罪対策三法案」が出された要因の一つとして「オウム真理教」問題があるからである。が、残念なことに3時間に短縮された朝生では時間もなく、さらにパネラーの人選も相絡まって重要な部分まで踏み込めないままに終始した。視聴者の意見も紹介できなくなっているし(私もE-Mailで意見を送ったのだが)、朝生らしさを復活させるためにはやはり5時間の放送に戻してほしい、とも感じた。

 それはさておき、同じことは国会、国の政治にも言える。
 新ガイドライン関連法、組織犯罪対策三法案等々……これらの採決にあたって、果たして十分な議論がなされたか、否か。「サンデープロジェクト」などの報道番組に出演した自民党幹部は「十分に議論した」という。確かに、法案の提出からはずいぶん時間が経った、と言えるだろう。が、しかし。実際の議論はどうか。国民に理解が得られるように論議があったか。ない、と言うほかない。
 議会制民主主義において「数」が全てである。数がないと政局は安定しない。そして、宮澤内閣が倒されて細川連立内閣が成立して以降、連立の時代に入った。衆議院では自民党が引き抜きなどで数を増やしたが、参議院では数が足りない。そこで出てきたのが自自公連立だ。
 しかし、ついこの前まで反自民で動き、民主党などと共闘していたはずの政党のこの変わりようはどうだ。私は創価学会員であるから、一応は公明党支持者に入る。「一応」と言うのは、実際はその時々の判断で選挙にあたっているからで、過去、選挙権を得てから幾度かの選挙を経てきたが、半分は公明党、学会から支持された候補者に入れてきた。残りの半分は対立候補に入れたのが実情である。別に、学会員だからといって投票内容を強制されることはないのでそうしている。ちなみに、私は友人に「選挙へ行こう」との呼びかけは日々行なっているが、積極的に「公明党をお願いします」などといったことはない。本当に支持される政党に成長したのならば、私などが言わなくても入れてくれるはずだからだ。何より、私は公明党は政党としてはすでに役割を終えた政党だと思っている。そして学会は、「政治を監視する」という原点に還って政治に接するべきだろう。が、現実は違った。公明党首脳は、「自自公」路線を選択しつつある。「つつある」というのは、いまだ多くの議員、支援者にとまどいがあるからだ。まだ変わる可能性は残っている。その、わずかな可能性に期待したい。
 ガイドライン関連法案の採決に、公明党の高野博師氏と加藤修一氏が欠席した。参院では、公明党の数がものを言う。そして、党執行部は「賛成」の意志を表明したにもかかわらず、きちんと自分の意思で動ける議員がいることに微かながら「変化」への希望を感じるのである。

 さて、自自公はともかく、ガイドライン関連法とか組織犯罪対策法案に問題がなければ、手順さえ踏んでくれれば納得もしよう。それが手順も踏まないうちに問題が多すぎるからこんな騒ぎになるのだ。
 なぜ、あれだけ反対に回っていた公明党が賛成に転じたのか。それは選挙制度を中選挙区に戻したい、そうしないと党の命運はない、そう思っているからである。中選挙区になれば、公明党支持基盤である創価学会票で議席を確保できるが、小選挙区では厳しい。それは、前回、新進党として戦った選挙で公明系列の小選挙区候補が軒並み敗戦したのを受けているのだろう。しかし、それならばこそ、自自公などというバカな行為をしているときではないのではないか。結局は自民党に利用されるだけだ。

 田中角栄は、かつて学会本部を訪れた後、早坂茂三秘書にこう言った。

「池田大作はしなやかなはがねだ。煮ても焼いても食えない。自民党が本気で憲法改正に取り組む時は、公明党も合流すると言い放った」(早坂茂三著『政治家は「悪党」に限る』集英社文庫版、184ページなど)

 それに対して自社大連合を夢見ていた金丸信は、自公民のパーシャル連合を唱えていた竹下登にこう言う。

「公明党は信用できねえ。あれはうなぎだ。つかんだと思 えばスルッと逃げる。始末が悪い」(同上)

 この二人の言葉は、細川連立政権以後の公明党の動きを見るにつけ、実に的確な表現だったと言えるのかもしれない。
 仮に、公明党首脳部が本気で自民との連立を視野に置くのならば、現在の支持者の一部は確実に失うとみていいだろう。

 さて、ガイドラインと盗聴法案の問題点を指摘しよう。

 まずは、ガイドライン関連法の、自自公による修正された条文をご覧いただきたい。(読売新聞のWebサイトから読むことができる)

現在、サイトから削除されてしまっている[2002/07/03記]
周辺事態法
改正自衛隊法
改正日米物品役務相互提供協定

 船舶捜査活動の全文削除はあるものの、修正によってより事項があいまいになった印象を受けるのは気のせいだろうか。
 この法が施行され、実際に運用された場合、どのような結果になるのか。少なくともいまの内閣が自自公により安定して続けば、アメリカの言いなりに、出先機関と化してしまうであろうことは容易に推察される。

 また、この法の問題点についていろいろ書こうと思っていたが、すでにまとめられているサイトがいくつかある。そのうち、二つのサイトをあげておきたい。一つは、昨年10月の段階の法案に従って条文に逐次問題点を奇麗にまとめてある(http://www.jlaf.jp/iken/98/iken_981000.html[URL変更])。
 続いて、これも昨年段階でもありピックアップに過ぎないのだが、「周辺事態法」と「国家総動員法」の条文を比較してその類似性と危険性を簡単に記したサイト(http://www.jlaf.jp/iken/98/980500.html[URL変更])である。

 とにかく、自自公の数の論理で法案は通ってしまった。これから、周辺の法の整備を知らない間に行なって、気付いたらがんじがらめにされている、ということになりかねない。

 何度でも書くが、次の選挙で政権をひっくり返せば、この法の見直しから廃案まで持っていくことは可能である。自自公に鉄槌を食わせ、きちんと国民に見える審議をしてから通すのならばこれほど反対はないかもしれない。

 自民党代議士が言った言葉が頭を離れない。
 なぜ、こんなに急いで盗聴法案(組織犯罪対策法案)を強行採決したのか、という田原総一朗の問いかけに、まだまだたくさん法案があるから、と答えた。要するに、これから自自公でバンバン数に物をいわせて法律を審議なしに作りますよ、というのと同義語だ。ガイドラインにしても、確かに議論はしたのだろうが、自自公の修正案についての議論などしていない。あるのは自自公の合意のみだ。他の野党は無視された格好だ。組織犯罪防止法案についても同じ。こんなことで議会制民主主義といえるのか。私ははなはだ疑問である。

 そして、こういう保身の数合わせごっこをしている間に景気は冷えてゆく。一時的に炎は燃え上がるが、あとは消えゆくのみである。
 経済無策大政翼賛会よ、さらば。このままでは「日本沈没」へのカウントダウンを迎えるばかりではなかろうか。

(引き続き編集後記より)
 書いていたら自自公批判が中心になってしまった。特に公明党は早く目を覚ましてほしい。
 民主党も、中途半端な野党に成り下がらずに、もう一度巻き返してほしい。
 そのためには、本当の政界再編が必要だ。自民党の一部と自由党。自民党の一部と民主党。公明は解散してそれぞれの政策にあった政党に。それと社民党、共産党など。こうなれば少しはすっきりする。いまは単に数の問題で政治を進めているので、このまま進めば取り返しがつかなくなりかねない。心ある政治家は早く行動してほしい。日本発の世界崩壊に向かわせないためにも。


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